アスター
Settei
Age:21 SEX:MALE
(名前の由来:エゾギクの呼称)
午前2時、悪夢で飛び起きる
…またあのときの夢だ…
『ボクらは世界樹の第二階層を攻略中の、それなりに実績のあるギルドの一員だった。
酒場の依頼対象である魔物との交戦中、FOEの襲撃に遭い仲間の一人が瀕死に、ボクも魔物に頭を殴打された。
瀕死の仲間を助けるために治療を試みたが、さっきの負傷の影響で頭が霞んで難航する。
処置は正しかったのか?処方した薬は?思考の纏まらない状況で熟考していたボクと瀕死の仲間に、FOEは狙いを付けていた。
仲間の呼びかけでFOEが襲って来たことに気付いたボクは…助かりたい一心で瀕死の仲間を捨て置き、飛び退いてしまった。
意識がはっきりとしたときにはFOEと瀕死の仲間は樹海の奥に消えてしまっていた。
仲間は「お前は悪くない」と言ってくれたが、罪悪感からボクはギルドを抜けたのだった。』
……瀕死の仲間はどうなったのだろう…あの傷だ、生きてはいないだろうがせめて亡骸だけでも回収したい。
そうは思ってもあのときの恐怖で樹海には入らず、冒険者ギルドで情報収集していたとき、恐怖も吹き飛ばすような大きな声で『その人』はボクにこう尋ねてきた。
「アナタ、世界樹に興味はないかしら?」

アスターの冒険日誌
×/×× 勢いのままボクはギルド「ヘスペリデスの園」に加入し、そのまま樹海を探索することになった。
正直あんな目にあったのもあって、樹海になんて入りたくもなかったし、探索中べっとりとした汗をかき続けている。
…それにどうやらずっと閉じこもっていたせいで、すっかり医術を忘れてしまっていたようだ。
余りにも…自分が不甲斐ない…
×/×× ようやく勘を取り戻してきたようだ。
…とはいえまだ軽い応急処置程度の治療しかできないのだが…
ここは樹海だ、どんな不測の事態が起こるかわからない。
ボクは医者として常に冷静に仲間をバックアップすることに徹するんだ。
特に下層から現れたというスノードリフトの討伐依頼を引き受けた以上、確実に治療が必要になる場面があるはずだ。
×/×× 無事誰も欠けることなくスノードリフトを討伐することができた。
前衛で傷つきながらも後衛二人を守ってくれるリーダーがいたから、ボクとペルピアナは安心して自分の役割を真っ当できたんだと思う。本当に頭が上がらない。
…けれど今度は第二階層。この熱帯林のような植物…嫌な記憶を想起させて、べっとりとした汗が噴き出す。
…それでも……それでも今度こそ、ボクはみんなを守るんだ!
×/×× やはり第二階層の魔物は強い。
リーダー含め、酷い怪我も目立つようになってきた。
応急処置だけではなく、外科手術を覚えなおす。…が今度は長期遠征では集中力が続かなくなってしまう。
長期的なオペを続けられる集中力を鍛えることにする。
みんなはボクが助けるんだ。
×/×× 数年前に前のギルドで起きた悲劇の場所に着いた。動悸が激しくなり、吐いてしまう。
この辺りに亡骸はなく、広い範囲で探していたのだが手掛かりとなるようなものは何もなかった。恐らくあったのだとしても鬱蒼とした木々に埋もれてしまっているだろう。
改めてあの場所に戻って簡易な墓石を作った。
…亡骸もその手掛かりも掴めずに、ボクの心にはまだわだかまりがある。
それでもボクがしっかりしないと今のギルドでまた同じ惨劇が起きるかもしれない。もう二度とあんなことを繰り返さないために…ごめんな××××…今は気持ちを切り替えさせてくれ。
×/×× 信じられない…森の王ケルヌンノスを下し、第二階層を三人で攻略することができた。ボクたちのギルドが、樹海攻略の先駆けとなった。
何もただ運がよかったわけじゃない。ボクやリナリア、ペルビアナの努力によって得られた実績だ。
このギルドに加入して、本当に良かったと思っている。